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勉強机には学校から出された宿題であるプリント一枚と父親自らが作ったプリントの宿題、数学、語学、科学、歴史それぞれ五枚ずつ。
更に課題のプリントが三枚。
学校の宿題はなんとか理解できる。
マイクは勉強が苦手なのだが、父親からの宿題と課題は勉強が苦手とかの問題ではなく、高校レベルの物を出しているのだ。
基礎がしっかりしていないマイクに、高校の応用問題を参考書を頼りにやれと言われても出来るわけがない。
「…………」
しかし、マイクはそれら全てを三時間かけて終わらせた。
参考書をそのまま写したり、適当に書いたりしてとにかく埋めた。
解が間違っていてまた怒られるのは目に見えているが、そんなのはもう慣れっこだった。
課題を提出箱と呼ばれる箱に入れると、夕食を食べた。
父親は部屋に籠もり仕事中で、母親は既に就寝。
宿題と課題に三時間もかかっている為、既に就寝時刻は過ぎている。
自分のお皿を洗うと、すぐさま自分の部屋へと行った。
「よし……」
ようやくマイクの表情が活きてきた。
宿題を文句も言わず済ませたのはこの時の為だ。
マイクのたった一つの趣味……
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