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翌日。
「いっ!?」
顔面を殴られ廊下の壁に叩きつけられたマイク。
口元の血を拭うと目の前の三人の少年を睨む。
マイクの学校での立ち位置はいじめられっ子。
元々、自分は余り主張せず何に対しても臆病なその性格のおかげで、クラスメートからは暗くて陰険な人という目で見られていた。
良く言えばおとなしい、悪く言えば協調性は皆無。
そんなマイクはいじめの格好の的だった。
「で? テストはどうだったんだ? エリートの子ども」
「お前のお父さん本当に嫌な奴だよな。前に俺の両親は見下されたような話し方されたってよ」
「だからお前も俺達を見下してんだろ?」
「ハハ! でもお前勉強も運動も人並み以下だよな。お前は見下される側なんだよ、ボケ!」
また殴られる。
恨みを買った覚えはない。
彼らを見下したこともない。
自分が落ちこぼれだというだけでいじめられる。
ただの彼らのストレス発散のサンドバック。
勿論、周りは見てみぬ振り。
教師ですらマイクの父親を嫌っている為、マイクと関わりすら持たないようにしている。
「なんだよ、その目は」
「…………」
睨みつけていたらそう言われた。
いいじゃないか……僕にはどうせ睨むことしかできないんだから。
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