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マイクが学校から帰ると、母親が顔の傷はどうしたのかと聞いてきた。
しかし、マイクは転んだだけと伝えてすぐに自分の部屋へと行き学校と父親からの宿題に取り掛かる。
普通の親ならば、ほぼ毎日転んで帰る息子の異変などすぐに気づくだろう。
そして、助けようと動いてくれるだろう。
しかし、気付いていながら何もしないのは所詮マイクに対してはその程度の愛情なのだ。
「…………」
昨日の宿題の間違いの多さに父親に怒鳴られ、更に増えた宿題を済ませ、夕食を済ませ……日課を終わらせればマイクの至福の時間が訪れる。
「小学生も出られるのかな……」
今日は学校からの帰宅途中に本屋によってヨーヨーの雑誌を買ってきていた。
いつもは新しい技やプロスピナーが来てくれるイベントなどに目を通していたのだが、今回はヨーヨーの大会についても見てみた。
どうやら年齢制限は無いらしく、申し込み期日も迫っている。
「出てみようかな」
既に両手でヨーヨー二個を扱うこともできるようになっているマイク。
大会には幾つか部門があるのだが、マイクはツーハンドストリングトリック部門(ヨーヨーを二個扱いあやとりのような技を魅せる部門)に参加することを決めた。
勿論、両親には内緒でだ。
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