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家では怒鳴られ、学校では虐められ、しかしそれはヨーヨーで遊ぶということの代償なんだと割り切ればマイクは耐えられた。
そんな数日が過ぎ、いよいよ大会当日。
勿論大会で勝つ為に更に練習を重ねたマイク。
大規模な大会なのだが、開催地は偶然にもアメリカでマイクが自転車で行ける距離だった。
「す、凄い……」
やはりブームなのか、会場は凄まじい人の数で賑わっていた。
今回は屋外で行われ、競技の舞台となるステージも綺麗な装飾が施されていた。
迷子になりかけたが、なんとか予選会場に辿り着き受け付けを済ます。
予選の時間が来るまではヨーヨーのお店やプロスピナーの技を見たりして過ごしたマイク。
「これ、格好いいなぁ……あ、あれもいいな!」
まるで楽園。
マイクの好きな物しかここにはなく、趣味を遠慮なく話せる人が沢山いるのだから。
そして、そうして楽しく過ごしている内に予選が始まった。
「…………」
他の参加者のトリックを見たマイクは絶句した。
考えが甘かったと思い知らされる。
それ程、マイクが魅了されてしまう程みんなが上手かったのだ。
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