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しかし、何故だか会場は騒がしい。
ショックでそんなこと気にならなかったマイクは踵を返した。
その背中はとても哀愁に満ちている。
その時、司会者の声がメガホンを通じて会場に響く。
「お!? マアル君は6人目で入っているね……おじさん間違えて二回呼んじゃったよ、ハッハッハ!! えーと、改めまして、10人目はマイク・ムジカ君! 間違えてごめんね! 予選通過おめでとう!」
「…………え?」
自分の名前が呼ばれ振り返るマイク。
ステージに付いてあるモニターには予選通過者の名前が映されていて、確かにマイクの名前が入っていた。
入っていたのだ!
「や……やった」
思わず笑みがこぼれるマイク。
本戦で戦える。
まだチャンスはある。
優勝できる可能性はある。
「僕の努力は無駄じゃなかった!」
そして、すぐに本戦が始まる。
マイクは予選とは違い、まだ習得しきれていないレベルの高い技をどんどん繰り出し、ミスを恐れず自分の力を魅せた。
それら全てを成功させたマイク。
そして、優勝者は……
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