◆自由VS支配 Episode:マイク◆

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「優勝は大会史上最年少のマイク・ムジカ君だぁ!! おめでとう!!」 ステージには大きな金色のトロフィーを持ち、これ以上とない満面の笑みでピースをするマイクの姿があった。 優勝したのだ。 他の強者を蹴落とし、見事努力を実らせた。 「ハハ……やったァァァ!!」 その後、マイクは持ってきたお小遣いでヨーヨーを買ったり、有名なプロスピナーのサインをヨーヨーに書いてもらったり、とにかく楽しく過ごした。 この日は初めて心の底から笑えた日であり、初めて心の底から楽めた日であり、初めて心の底から生きていると実感できた日だった。 しかし、幸せの時間はあっという間に過ぎてしまう。 気付けば太陽は沈みかけていて、マイクは帰宅の途中だった。 何故か、その表情からは笑みが消えていた。 「はぁ……」 ため息を吐く。 大会は日曜日に開催された。 しかし、日曜日は学校が休みだからと1日塾に通わされていた。 その塾を無断で休んで大会に来てしまったマイク。 塾から家に電話が来ていれば、間違いなく叱られる。 トロフィーもなんとか隠さなければいけないし、増えてしまったヨーヨーの新たな隠し場所も考えなければいけない。 問題は山積みだ。
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