◆自由VS支配 Episode:マイク◆

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「な、なに、お父さん」 自然と声が震えてしまう。 なんとか冷静さを保ち普段通りにしようとマイクは必死だ。 「なぜ、こそこそ帰ってくる? ただいまはどうした?」 「ちゃ、ちゃんと言ったんだけど、僕の声が小さかっただけだよ」 なんとか言い返すが、尚も父親は全てを見透かしているかのような目で見てくる。 「今日は何処へ行っていた?」 「いつも通り塾だよ!」 しまった……ちょっと必死になって言ってしまったと後悔した。 だが、何処へ行っていたのか? という質問をしてきた時点でもうバレているだろう。 「そうか、塾へ行っていたのか。だが、先程その塾から電話がかかってきてな、マイクが来ていないと言っていた」 やはり無断で休んでしまえば電話が来るのは必然だろう。 せめて塾には、嘘を付いて風邪で休みますと言っておけばよかったと後悔した。 しかし、既に想定内の最悪な状況が起きている。 「背中で隠している物はなんだ? おもちゃか? ゲームか? 塾を休んで何処へ行っていたんだ?」 威圧的な質問攻め。 マイクはもう観念した。 そっと背中の後ろに回していた左手をまえに持ってくる。 「優勝トロフィー?」 父親はトロフィーをマイクから取ると、それを睨む。 「しかもヨーヨーだと!?」
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