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「どういうことなのか説明しなさい」
そう言われたマイクは全てを話すことにした。
お小遣いでヨーヨーを買ったこと。
それで、夜中まで練習していたこと。
大会に参加し優勝したこと。
全てを話し終えたマイクは既に泣きそうな表情。
あらゆることを想像した。
ヨーヨーが捨てられてしまうのではないか、殴られるのではないか、最悪自分は捨てられるのではないか……
マイクの話を眉間にしわを寄せて聞いていた父親。
ため息を吐くと右手を振り上げていた。
「うっ」
咄嗟に目を瞑るマイク。
殴られる! 怒られる! 宿題を増やされる!
様々な負の思考が頭を巡り、全てを覚悟する。
しかし、マイクにとって予想外な事態が起きた。
殴る為に振り上げたんだと思っていた右手は、ふわりとマイクの頭に被さる。
そして……撫でられた。
「…………え?」
顔を上げるとそこには微笑む父親。
「凄いじゃないか、マイク! 優勝ということはお前はヨーヨーで一番だということなんだぞ!?」
「…………え?」
もう一度素っ頓狂な声をあげるマイク。
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