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「…………」
マイクの目の前のテーブルには好物ばかりが並んでいて、とても豪勢なディナーだ。
「優勝おめでとう!」
生まれて初めての両親との乾杯。
炭酸ジュースが入ったコップを両親の掲げたコップに当てた。
「なぜ、趣味があることを隠していた? 私は確かにおもちゃを買い与えていないが、遊びを禁じた覚えはないぞ?」
「怒られると思った」
「優勝していなかったら怒っていたな。いや、殴っていたかもしれん。だがな、優勝というのは一番ということなんだ。一番というのはマイクが一番優れているということなんだよ。お前は他の人には成し得ないことを成し得たんだ。それほどの才能があるということだ」
父親はいつも怒っている時のような真剣な表情でそう語る。
「お前は昔から趣味が無かったから心配していたんだ。だから、せめて勉強だけでも他の人より優れていて欲しいと思って私は厳しくしていた。だが、まさかヨーヨーで優勝してしまうとは……流石父さんの息子だ」
笑みを浮かべてそう言ってくれた父親にマイクは笑顔で頷いた。
褒めてくれた。
ヨーヨーをやることを許してくれた。
マイクは両親が自分のことをちゃんと考えてくれていて凄く嬉しかった。
そして、マイクはご褒美に次の休日に欲しい物を買ってもらった。
勿論それもヨーヨーだ。
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