3355人が本棚に入れています
本棚に追加
/541ページ
煉は携帯電話の通話ボタンを押し、耳に当てる。
『待たせたな。孝地だ 』
「なんでかけ直したの?」
『それを話すには泰陽や木村、姫岸がセイバーナイトから抜けた後の状況を言わなきゃな。まず、俺はまだセイバーナイトとして動いてる。奴らは川田グループを利用したいんだろう。だが、俺はお前達と行動してたことがあったからな。目を付けられてんだよ。だから電話の内容を盗聴される可能性も考慮して、今公衆電話からかけ直したんだ』
「盗聴される可能性があるから公衆電話からかけ直したんだね? まだ孝地はセイバーナイトに所属してるから」
里奈や泰陽、ヒメ、ルイ、セイン、そして各々の武器猫にも話の内容を分からせるように煉はあえてそう言った。
『? そこにみんないるのか?』
煉の考えを察した孝地はそう尋ねる。
「うん、みんないるよ」
『そうか……よかった……みんな無事なんだな……』
心の底から安心したような声だ。
煉は孝地の仲間想いを垣間見て思わず笑顔になる。
「みんな無事だよ。ありがとう、心配してくれて」
『し、心配なんかしてねぇよ! 元からお前らはしぶとい奴らだってわかってたからな!』
電話からでも孝地が照れているのが分かる。
今更だが、孝地は照れ屋さんだと言うことが分かった。
最初のコメントを投稿しよう!