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褒めてくれることが堪らなく嬉しかったマイクは考えた。
他の人より優れていれば父さんは褒めてくれる、欲しい物を買ってくれる。
その考え方が間違っているのか、正しいのか、とにかくマイクは次に勉強を頑張り始めた。
ヨーヨーは今となっては両親の前で堂々と遊べる。
ならば、ヨーヨーの練習に当てていた時間を勉強に当てた。
そして、数日経ったある日。
「す、凄いじゃないか、マイク!」
目の前には目を丸くし驚いている父親。
学校のテストは全て満点、学業の成績も学年一位、更には父親からの宿題も全て正解、しかも高校レベルの問題をだ。
そんな非の打ち所の無いプリントをリビングのテーブルに並べていた。
「よし、母さん! 今日はパーティーをやるぞ! マイク、夕食前に好きな物を買ってやろう」
「ホント? ありがとう!」
今のマイクは飛び級してもおかしくない程賢くなった。
全ては褒められたいが為に。
他人より優れていることを証明する為に。
マイクの次なる努力のベクトルは中学生になるのと同時に運動へと向けられた。
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