3355人が本棚に入れています
本棚に追加
中学二年生になった時、体を鍛え続けたマイクは開花した。
身体能力ですら、もはやマイクに勝てる者はいなくなった。
体力測定ではマイクが圧倒的にダントツ一位となり、運動部からは助っ人として入ってくれと引っ張りだこになる程に。
ある時、マイクは自室で自分の両手を見つめていた。
自室の壁には、サッカー、バスケ、野球、様々な部活の優秀選手賞のメダルが飾られている。
「…………」
メダルを貰う度に両親に褒められた。
好きな物を買ってもらった。
しかし、マイクは褒められるのが当然であると思っており、それに対して嬉しいという感情は湧かなくなった。
「ククク……見ろ。勉強も運動もヨーヨーも、努力さえすれば俺は一番になれる。俺はそういう才能を持っている……ククク」
そう、マイクは天才だ。
努力のベクトルを向ければあらゆる分野で才能を発揮する。
しかし、天賦の才を持つが故に歪み始めていた。
今やマイクが嬉しいと思う時……それはマイクが見下す側に立った時だけ。
嬉しいというよりも快感を覚えていた。
そして次なる努力のベクトル先は……
「ククク……アッハハハハ!!」
最初のコメントを投稿しよう!