◆自由VS支配 Episode:マイク◆

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マイクは一番を得る度に堪らない達成感に酔いしれるが、それと同時に恐怖も感じていた。 もし、この努力が報われなかった日が来たら自分はどうなるのだろう。 一番になれなくなった時、自分は一体どうなるのだろうか。 「…………」 マイクは拳を握りしめた。 また、両親に蔑まれる。 学校の連中に蔑まれる。 そんなことはあってはならない。 見下されない為には見下すしか方法はない。 そんな時だ。 「?」 背後で拍手をしている人物がいる。 振り返ると、そこには白衣を着た眼鏡をかけた短髪の男性がいた。 「いやはや素晴らしい。噂通りだ」 「誰だ」 睨むように男性に視線を向けそう聞くマイク。 「私の名前はフィスタ。いずれは世界を牛耳る男だ」 「フン……お前が? 残念だがそれは叶わない。俺は誰にも支配されないからだ」 「知っているさ。だから交渉しに来たのだよ……私と共に世界を見下してみないか、とね」 世界を見下す。 最初はフィスタの言うことは馬鹿馬鹿しいと考えていたが、考えれば考える程、その言葉の魅力に引き込まれる。 世界を見下せばさそがし気持ち良いだろう、そして誰も逆らえなくなるだろう。 自分にはそれすらも成し遂げる才能がある。 ……面白い。 「私と共に来い……マイク・ムジカ君」 「…………」
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