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「…………」
茜とアミルダは、ゆっくりと立ち上がるマイクを見て身構える。
俯いていてその表情は見えないが、彼の醸し出している雰囲気が変わった。
ピリッと空気が張り詰め、茜達は自然と表情を固める。
「オレハ……イチバンダ……ダカラ……マケナイ」
「何を言うかと思ったら……残念、あたしが一番ですから」
茜がそう言った瞬間!
俯いているマイクから凄まじい殺気が放たれる!
どれほどの殺気か……それは殺気を感じた茜とアミルダが咄嗟に後方に跳ぶ程だ。
危険を感じたが故に距離を取った二人が見ている先で、マイクはヘッドホンとウォークマンを外し放り投げる。
そのヘッドホンからは大音量でロック系の曲が流れていた。
そして、マイクはサングラスをも外し投げ捨てる。
「へぇー、なかなかイケメンじゃん」
「あれがマイクの素顔ですか」
感想を漏らす二人の前方には顔を上げたマイク。
若干のつり目であるマイクの顔立ちはかなり整っていた。
そして、マイクはヨーヨーを持つ両手を胸の前で交錯させた。
するとマイクが放電し始め、その電気がマイクを纏っていく。
「止めなくていいんですか?」
「真似できるから歓迎だよ」
茜は不適な笑みを浮かべそう言った。
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