◆自由VS支配 最強の定義◆

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迫るプレス機を冷静に見つめながら茜は顎に手を当てる。 マイクの卯化の能力は大体察しがついたようだ。 「《機》という属性の精度、範囲、威力が純粋に強化されてるのか」 こんな複雑で大規模な機械を瞬時に作り上げてしまう精度、武器と自身だけだった機械化は地面まで、恐らく手で触れた物を機械化させるという範囲の広がり、そして地面をえぐりながらも威力を保つヨーヨー。 それがマイクの卯化。 しかし同時に、素早くこれほどの機械を構築できるなら分解も素早く出来る筈。 「《モード・機械将軍(ジェネラル・マシーン)》」 茜はそう呟くと、しゃがんで右手の手の平をベルトコンベアにぴたりとつける。 すると、ベルトコンベアとプレス機のあちこちからネジが外れ崩れ始めた。 そして、茜の足元と目の前には全て停止しガラクタとなった機械の残骸。 「…………」 茜の目の前に着地するマイク。 その表情には笑みを浮かべていた。 「《巨大な剣(エノーマ・イピー)》!」 「!!」 マイクの横からアミルダが、自身の三倍はある巨大な両刃剣を振るう。 マイクは機械化した両腕を交錯しその剣を防ぐが吹っ飛ばされていった。 「凄いですね。あなたの能力、卯化も真似できるんですか」 剣を消したアミルダはそう茜に言ったが、茜は浮かない表情だ。 「真似できるけどバテるの早くなるから多用はできないよ」
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