◆自由VS支配 最強の定義◆

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茜はチラリとアミルダの横顔を見る。 汗が伝うその頬、息が少し荒い。 それは先程から呼吸と同じように僅かに振動している鎖鎌、瑠璃丸も同様だった。 属性融合を多様したせいか、瑠璃丸も限界が近づいている。 しかし、マイクに至ってはダメージどころか息すら乱れていない。 いや、機械に呼吸は不必要だろう。 「君、なんで強いのにそんな奴に従ってんの?」 「私も疑問に思っていました。フィスタはあなたのことを道具にしか思っていませんよ?」 その質問にマイクは答えず、代わりにフィスタが答えた。 「マイクは私に逆らわないのではない。逆らえないのだよ」 「…………?」 マイクがフィスタに逆らえない。 それは何故と問い掛ける前にフィスタが続けた。 「私の能力は生物には効果がない。人間に対して力を発揮しない。だからこそ、機械化しているマイクに対しては有効なのだ。つまり、私だけが"稼動状態"のマイクを"停止状態"に変えることができる。それが唯一の……停止という死を持つ機械の弱点なのだよ」 「…………」 茜は理解した。 だからこそ、フィスタは茜の前から姿を消した。 マイクの弱点である属性を持つのは、皮肉にも敵の親玉。 それを真似されない為に、茜に属性を見せないようにしたのだろう。 しかし、何故それを分かっていながら茜の前に姿を現したのか。
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