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だが、茜にはようやく勝利のビジョンが見えてきた。
どうにかしてフィスタに属性を使わせる状況を作り出し、そして視認して真似をする。
それで無敵にも思えるマイクを停止させる……
「茜さん……でしたっけ?」
アミルダがそう声をかけてきた。
「うん、そうだけど」
「恐らくフィスタは何かを仕掛けてきます」
「分かってるよ。そうじゃなきゃあたしの前に出て来ないもん」
「悔しいですがマイクに勝てるのはあなただけです。私が攻めます、だからいざとなれば……」
「それも分かってる」
茜はアミルダの洞察力に感心していた。
アミルダは茜の表情を見て察していたのだ。
瑠璃丸の体力がもう余りないことに。
だからこそ"私が攻めます"、つまりなるべく体力を温存をし、マイクにトドメをさせる状況が作れるなら、"いざとなれば"自分を見捨て、もしくは自分ごとやれ、そう言いたいのだろう。
「フフン……では、内緒話は終わりにしてくれないか? そろそろ始めたいのだよ。自由が消え去る儀式を……私の……完全なる世界征服を!!」
フィスタが両手を上げて空を見上げながらそう宣言した。
そして、事態は起こった!
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