◆自由VS支配 最強の定義◆

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フィスタは右手を額に当て俯いたまま。 実力者が続々と集まり焦りを感じているのだろう。 「…………」 と思いきやよく見ると肩が震えている。 恐怖で? 悲しさで? しかし、次の瞬間そんな感情とは全く真逆の表情をフィスタは見せた。 「…………クク……フッフフ……ハーッハッハッハ!!」 「?」 お腹を抱え急に笑い出すフィスタ。 それを不快に思ったアミルダと茜は顔をしかめる。 「ハハハ!! 自由!? 絆!? 何を言うかと思えば……私を笑い殺す気なのか? 自由なんてどこにある? 絆などどこにある? それは私達に見えるのかね? ん? どれ、見えるなら教えてくれ。どれが自由でどれが絆? 目に見えない物を力と呼ぶとは……それこそ妄想に浸かっているのはお前らの方だ」 「馬鹿には見えないもんなんだよ、うん。あれ? もしかして見えないの? え? マジ? うっわ……ちょっとお姉さん、あそこのおっさん馬鹿らしいよ?」 「低レベルな口喧嘩してどうするんですか」 アミルダは冷静にそうツッコミを茜に入れる。 「クク……その点、支配は目に見える。圧倒的武力に対し頭を垂れるしかできず、力の無い者は有る者の下に付かざるを得ないその状況こそが支配だ」 「なら、支配などどこにあるんですか? 私には見えないのですが……ちなみに馬鹿だからじゃないですよね?」
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