◆自由VS支配 最強の定義◆

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「ハッハッハ!! 半分正解で半分外れと言っておこう」 茜の呟きに対しそう答えたフィスタ。 切ってしまったのか、口の中に広がる血を吐き捨てたアミルダも立ち上がり再び身構える。 フィスタの隣に立っているマイクは紫色の瞳を輝かせ笑みを浮かべていた。 「半分正解……あたしの属性が関係してるのか」 「そんなに知りたいのかね? カラクリを知った所で君達はどうすることもできないが、まぁ、冥土のみやげに教えてやろう」 嫌みったらしくそう言うフィスタは隣に立つマイクの肩をポンと叩く。 「見ての通り、彼は《C・C》だ。内蔵した武器猫の魂は三つ……ルイ程ではないが立派な成功作だよ」 アミルダの眉がピクリと動き、唇を噛んでいた。 命ある人間を失敗作だの成功作だのと物扱いしているのが気に食わないのだろう。 ルイもマイクも物ではなくちゃんと意思を持った人間だ。 「しかし、発現した属性はどれも戦闘には向かないものばかり。仕方なく肉体強化のみで我慢しようと思ったのだが、私はあることを疑問に思った」 そこでフィスタはマイクの胸に拳を当てる。 「マイクは一体どこまで機械化できるのか……とね。通常の能力は自身と武器の機械化、そして察しの通りマイクは脳を機械化することにより感情を捨て去り自身にプログラミングすることでそれを忠実に実行することが可能だった。果たして、機械化は脳止まりだったのか、脳が思考したりするその心や魂は機械化の範囲内なのか」
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