◆自由VS支配 最強の定義◆

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「思考や心の元となる脳が機械化したならば、やはり……」 アミルダはそう呟く。 フィスタの意図はまだ分からない。 形のないものを機械化できたかどうかなど、確認しようがない。 「ククク……どこまで機械化できるか、これはかなり重要なポイントだ。それはつまり、私の能力がどこまで通じるかということ。知っての通り、私の能力は生物に関係するものは変えられない。寿命や体格、性格などもだ。しかしそれが機械化の範囲内ならば私の能力で変えられるということ。それが例え……魂までだとしてもだ」 「……?……っ!! あんた、まさか!!」 茜は目を見開き驚愕の表情を浮かべる。 理解したのだ。 理解してしまったのだ。 フィスタがマイクにしたことを、幾つもの属性を扱える原理を。 アミルダはまだ分からないのか、そんな様子の茜を見て表情を曇らせる。 「流石は自称天才だな。理解が早くて助かるよ」 「……自称?」 茜が鼻をピクッと動かし明らかに怒りの感情が見える程、その表情は不機嫌そうだ。 「マイクの機械化は正しく全てだ。己が完全な冷酷マシーンになることが可能だった。だからこそ、私は変えてやったよ……そこに目を付けた私こそが本物の天才だ。君は所詮、"自称"天才。私こそが"本物"の天才だ!」
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