◆自由VS支配 最強の定義◆

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「フハハハハ!! どうした? その程度か? 貴様らが支配に屈するのも時間の問題だな」 瓦礫に座りそう言ってくるフィスタ。 マイクに任せ自分は戦う気がないようだ。 「支配には屈しませんよ。大体あなたの支配は絶対誰も認めない。洗礼なんて馬鹿げたことをするようなあなたの支配なんて」 アミルダが負けじと言い返すが、フィスタはただふんぞり返って笑うばかり。 「ハハハ!! しかし、その洗礼のおかげで私の部下はちゃんと動いてくれる。それは斎藤 煉も同じだっただろう?」 「……なに?」 フィスタの言葉に反応したのは茜だった。 その形相は恐ろしく冷たく敵意が剥き出しだ。 「煉ちゃんに洗礼?」 「マイクにやられ門白姉妹には足に銃弾をぶち込まれる……クククなんと無様! それによる恐怖であいつは簡単に……」 「黙れ」 茜の目つきが変わる。 アミルダやセインにも背筋が凍るような感覚を与える程の殺気。 「お前らか……」 出会った時の煉には笑顔が消えていた。 虚ろな瞳には何も写さず、ただ絶望の色を浮かべていた。 何かを恨んでいる訳でも憎んでいる訳でもない、死人のような目。 煉にそんな表情を作らせた元凶は、初めて裏切りと支配を味あわせたセイバーナイトと言っても過言ではない。 セイバーナイトに出会ってから全てが狂ったのだから。 「あたしの家族を……時ちゃんの息子を……てめぇら楽に死ねると思うなよ」
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