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「(使ってこないな……警戒してるか気付いているか)」
二人の茜はフィスタから視線を外さない。
茜の分身は本体と視界を共有している為、分身がフィスタの属性を見れば本体が真似できる。
しかし、フィスタはそこまで推測しているのか属性を使おうとはしない。
「行くぜ、オッサン!」
「貴様らに私の属性は勿体無い……素手で十分だ」
走り出す孝地に身構えるフィスタ。
「っらぁ!!」
走った勢いに任せて如意棒を横に振るう。
しかし、フィスタに容易く如意棒を掴まれ孝地は腹部に蹴りを入れられた。
「がっ!?」
「そのまま武器を手放していればよかったのにな」
「あたしを忘れんな!」
茜はフィスタの左右から鎖鎌で襲いかかるが、フィスタが如意棒ごと孝地を振り回し、右から来た茜と孝地をぶつけられ吹っ飛ばされる。
「ふん」
フィスタが左の茜に蹴りを放つが、《読》で先読みし茜は体を傾けてかわす。
そして、フィスタの懐に入り込んだ茜は勢いよく体当たりをした。
「!?」
「どうやら勘違いしていないか?」
渾身の力で体当たりした筈だがフィスタは微動だにしない!
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