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「う!?」
草部の右足が煉の顔面を捉えた!
煉は吹っ飛ばされ大木に背中を打ちつけてしまう。
草部が追撃をしようとトンカチを構え接近してくるが、それをルイが黙って見ているわけがない。
「お兄ちゃんになにをした!!」
「ちっ!」
ルイは草部に渾身の回し蹴りを放つが、トンカチで防がれてしまう。
だが、蹴りの威力に草部は苦い顔を浮かべ舌打ちをする。
そして草部の右腕に上空から木のツルが巻きつき、草部はツルに引っ張られるように一旦退いた!
その間にルイは煉に駆け寄る。
「大丈夫、お兄ちゃん」
「……うん、大丈夫」
煉は口元から垂れる血を右手で拭うとすぐに立ち上がった。
「くそ、どうすれば……」
「お兄ちゃんが許可をくれれば数秒で片をつけるけど……駄目なんでしょ?」
「勿論」
目の前に広がる森林を睨みながら二人は身構える。
しかし、煉は草部と戦う気は全くない。
ルイは兄である煉の友達を兄の許可なく倒すことはできず……このままでは一方的に攻撃されてしまう。
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