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「戦わなきゃそれこそフィスタの思うつぼなんだけど……」
煉の隣でルイはそうぼやく。
そんなことは煉も分かっている。
分かっていても友であり部活で競い合ったライバルでもある草部と戦うなんて、煉には絶対にできない。
「危害を与えずに武器猫を奪えればいいんだけど」
「拙者もそう思うが向こうがやる気だとそうもいかんぞ?」
「……!?」
煉の前方の地面から突起状の太い根っこが襲いかかる!
しかし、ルイが瞬時にその根っこの突起部分を右手で掴み、その虹色の瞳で根っこを睨む。
すると、ルイの右手が発火し炎が根っこを包んで一瞬で炭と化した。
「お兄ちゃん……私達が最優先すべきことを考えて」
「…………」
それは勿論、無駄な戦闘は避けてベースシグレータの施設を破壊すること。
それがなによりも最優先すべきことだ。
しかし、この状況で草部が簡単に逃がしてくれるとは思えない。
「とにかく武器猫を奪う! それしかない!」
「じゃあ、私も武器猫を奪うことに専念する」
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