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予想以上に緋乃は強い。
まず属性が2つあるのと、多勢に無勢にも関わらず余裕な表情を浮かべていること。
かなり戦い慣れをしている。
まともに戦えば時間が掛かるどころか負けてしまう可能性もある。
「逃げましょう」
ヒメはそう呟き左手を前方に向け光の扉を出現させる。
「皆さん早く入って下さい!」
ヒメの言葉に信者達は頷き次々と扉の中へと入っていく。
先程ダメージを受けた信者も他の人が抱えて扉の中へ。
緋乃はそれを止めようとはせず遠くで微笑みながら眺めているだけだ。
そして、後はヒメだけ。
ヒメは緋乃を睨みながら口を開く。
「時間がないので逃げさせていただきます」
苦肉の策。
恐らく今逃げても後でセイバーナイト本拠地を舞台に戦うことになるだろう。
しかし、今は時間が惜しい。
早くベースシグレータへ行かなければ他のチームに負担がかかる。
「もう会わないことを祈ります」
ヒメはそう言い残し扉の中へと入って行った。
この技ならこの幻影の世界からも抜け出すことができる。
それを察した緋乃は扇子で口元を隠し微笑した。
「ふふふ……ご賢明な判断ですこと」
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