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煉は理解した。
恐らく、草部は本気で煉達が悪いとは思っていない。
僅かな疑問を持ちながらもやはり煉達は友達……フィスタを信じるか、友達を信じるか……その狭間で草部は今も迷っていたのだ。
しかし、再び出会った煉達はフィスタの言うような凶悪犯ではなく、むしろ逆。
同級生一人に手が出せない草部の信じる奴だった。
だからこそ、怒りが湧いた。
「今のてめぇじゃあ、誰にも勝てねぇよ。俺に勝てないようならとっとと帰れ。そして二度と戦うなんて口にするな」
命を捨て去るような無謀な戦いはさせない。
同級生すらも無情に本気で戦うような覚悟を持てないようなら、ここを去れ!
煉は理解した!
草部は試している!
煉のこの戦いに臨む覚悟がどれ程のものかを!
「帰るわけには……いかない!! 僕はもう決めたんだ、これ以上誰かが傷つくのは見たくない! だからこそ……だからこそ本気で傷つけることで全てを終わらせるんだ! これで最後にする為に! 草部! 立ち塞がるならお前も容赦しない!!」
これが草部の望む回答!
そう思った煉は本気でそれを口に出し、覚悟を固め草部を見る。
草部は不適に笑っていた!
「へ! 上等だぁ! てめぇを倒す為に鍛えたこの力、本気のお前にならぶつけられるぜ」
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