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「樹海に入っちまったら最後……お前はさ迷いながら体力を奪われ続ける!」
何処からか草部の声が聞こえてくる。
草部の卯化の能力、それはまさしく樹海そのもの。
樹海の中にいる限り探知系の技は全て封じられてしまい、方向感覚も失われる。
そして、徐々に対象の体力を奪っていく能力!
さ迷ったあげく辿り着くのは冥土……というわけだ。
「煉、どうするのだ!?」
「全力を出すに決まってる! 行くよ、沙助!」
煉は鞘に刀を納めるとそれを地面に突きつける。
すると、煉を中心に竜巻が吹き荒れ砂や葉っぱが舞い上がり煉を覆い隠す!
「《モード・護風剣(ゴフウケン)》!!」
竜巻が徐々に消えていき、煉を覆っていた砂塵が辺りに飛び散る。
そして現れたのは……
「手加減はしないよ」
そう強く言い切る煉。
しかし、肝心の風で形成された五本の刀が見当たらない。
現れたのは丸腰の煉だったのだ!
「わりぃが、体力消耗を待つ義理はないぜ!」
そう聞こえたのと同時に右方向から先が鋭利な太い根っこ!
煉は後ろに体を反らし間一髪回避する!
すると、今度は背後と左方向から太い根っこが突き出る!
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