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既に混沌!
この景色を言葉で表すなら正に混沌!
視界は全て竜巻と鎌鼬、それに吹き飛ばされる木々の破片や砂!
その威力に煉も吹き飛ばされそうになるがしっかりと踏ん張り、残り二つの内の一つの刀を握り肩で担ぐ!
竜巻による轟音で自分の声すらも聞こえないが、それでも叫びながら刀を振るった!
「《肆陣(シジン)!!》」
混沌の更なる加速!
もう煉の周りは竜巻で覆われており、時折建物の一部であろう瓦礫までも竜巻に紛れている!
もはや森林という物は存在せず、あるのは猛威を振るう竜巻のみ!
煉の両腕はもう切り傷により血まみれ……しかしこれが本気なんだ!
これが覚悟なのだと草部に知らしめる為に、煉は最後の刀を掴み肩で担ぐ!
「うおおおぉぉぉ!!」
刀を両手で逆手に持ち思いっきり振り上げる!
「《終陣・無限嵐刃(シュウジン・ムゲンランジン)》!!!!」
そして、思いっきり刀を地面に突きつけた!
その刹那!
煉を中心に竜巻が発生し、それはどんどん大きくなりながら他の竜巻、木々、瓦礫、全てを飲み込んでいく!
煉はそのまま両膝を着き俯くと、ゆっくりと目を閉じた。
聞こえるのは風の唸る音のみ。
これで出し切った……
この後にも戦いが控えている筈だが、それでも出し切った……
後悔はしない。
これが友に対する最大の礼儀だからだ。
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