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「へ? ここ南極?」
事態が呑み込めない泰陽。
しかし、泰陽以上に驚きの表情を表していたのは他ならぬ門白姉妹。
「お、お姉ちゃん?」
「な、なんで!? なんで飛ばされないの!?」
魅子慈は不安そうな目で亜華羽を見るが、亜華羽はうろたえている。
勿論、本人達が不測の事態に陥っているのだから、泰陽やセインに状況を把握する術はない。
「くっ、ならもう一回!」
亜華羽は再び真上に閃光弾を放つ!
再びエントランスホールは閃光に包まれ今度こそ泰陽達は南極へと……
「ち、ちくしょう! 寒すぎる!! こんなとこで生きられる訳が……ある?」
目をつぶったまま体をさすっていた泰陽だったが、来ると思った筈の寒さはやってこない。
再び目を空けると、前方にはやはり姉妹がいて、セイン達は首を傾げている。
「な、なんで……魅子慈! ちゃんと印が消えないように付けてきたんでしょ!?」
「そ、その筈だけど……」
「よく分からんが……神様が奇跡を与えてくれたのは確かだな!」
どうやらセインは一人で勝手に納得したようだ。
しかし、泰陽や姉妹は状況が分からずじまいである。
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