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「とにかく体力を温存したいのなら私がベースシグレータの破壊を引き継いだ方がいいでしょう? あなた達は少し感情的になりすぎています。冷静になってください。そして理論的に何を最優先とするか、何がみんなの為になるか……考えて下さい」
「…………」
アミルダの言葉が心に溶け込んでいくような感覚を覚えた泰陽。
そして、冷静になり頭の中が一旦クリアになる。
アミルダ率いるセイバーナイトがここを任せてくれと言うならばそれが一番だ。
これ以上の戦闘を回避し、ベストなコンディションでダークナイトと戦える。
しかし、それでは余りにもアミルダに負担がかかりすぎる。
敵にはまだマイクがいて、フィスタもいる、更にまだ何か切り札を残している可能性もある。
「やっぱダメだ! 敵が多すぎんだろ! 煉がここにいたらあいつだって反対する!」
泰陽がそう言った時だ。
アミルダがしゃがみ両手を泰陽の肩に置きしっかりと目を合わす。
「信じて下さい。私を……私の力を。誰かが私を信じている限り私は負けません。ですから私を信じてここを託し、あなた達はやるべきことをやってください」
「…………」
ひしひしとアミルダの覚悟を感じた泰陽。
その覚悟を踏みにじり、アミルダの力を信じないでここに残れば、それは覚悟を持つアミルダにとって最大の侮辱。
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