3355人が本棚に入れています
本棚に追加
/541ページ
そして、煉の作戦に納得したセインは出掛ける準備をし始める。
「では、ゴッドナイトの信者達に明日の予定を伝えてこよう」
セインがそう言うと、煉は立ち上がりセインに深々と頭を下げた。
「巻き込んでしまってホントにすみません。そしてありがとうございます」
「気にするな。我々が勝手に巻き込まれに行っただけだ。では、これで失礼させてもらうよ」
そう言ってセインは部屋を出ていく。
それを見送った煉は再びベッドに腰かける。
「明日は厳しい戦いになる。皆も今日は休んでよ」
煉がそう言うと、里奈達は頷きぞろぞろと部屋を出て行った。
すると、ルイが煉の服の袖を引っ張る。
「? どうしたの?」
「お兄ちゃん……ぎゅ!……ってしてもいい?」
いきなりそう頼まれ戸惑う煉。
確かに兄妹なのだが、今の今まで他人として接してきたのだから戸惑うのも無理はない。
しかし、煉は照れながらも頷いた。
家族の温もりを感じていたいのだろうと思ったからだ。
ルイは煉に抱き着き胸に顔を押し付ける。
(お兄ちゃんの匂いだ……)
笑顔を浮かべるルイの頭を煉はそっと右手で撫でる。
(明日で……全てを終わらせるんだ)
最初のコメントを投稿しよう!