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「ルイ……よかった、随分と可愛らしい笑顔を見せるようになりましたね」
アミルダはそう言って微笑むとルイの頭を優しく撫でる。
「あのね、家族が見つかったの! 彼がお兄ちゃんだったの!」
満面の笑顔で煉を指差すルイ。
アミルダは驚いたような表情で煉とルイを交互に見ている。
「斎藤君がお兄さん……?」
「うん!」
「そう……なんですか? 確かにちょっと似てるかも……しれませんね。ちょっと驚きの余り頭の整理が……!?」
話している余裕はない。
そう言いたげにアミルダが作った剣の壁に銃弾がぶつかる音が響く。
「ぶっ壊せぇ!!」
「させるかぁ!!」
外でセイバーナイトと反セイバーナイト及びゴッドナイトが戦っている。
アミルダはルイを自分から引き離すと、険しい表情で煉達を見る。
「ルイ、とにかく話は後にしましょう。斎藤君、私は今フィスタに不満を持つ人達を連れ暴動を起こしています。提示できる証拠はありませんが私は味方です。あなた達の作戦も空井君から聞いています」
「…………」
証拠はないが、アミルダが優しいことと嘘をつくようなタイプではないことは分かりきっている。
その為、煉は構えていた武器を下ろした。
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