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「いいですか? 私がこの剣の壁を消したら真っ直ぐ階段に走ってください。後を追おうとする者は私がなんとかします」
アミルダの言葉に頷く4人。
と同時に武器を構え階段のある方を見据える。
「……行きます!!」
アミルダが指をパチンと鳴らす!
すると、煉達の周りにあった剣の壁は吸い込まれるように床へと引っ込む!
その刹那にセイバーナイトがなだれ込むように攻めてきた!
「皆さん、彼らに道を!!」
アミルダがそう言うと、フィスタ達を裏切ったセイバーナイト、もとい反セイバーナイトが階段までの道にいるセイバーナイトと戦闘を始め道をこじ開けた。
それによって出来た道を里奈とヒメを先頭に煉とルイ、最後尾にアミルダという順番で駆け抜ける。
ゾクッ!!!!
「!?」
煉達の誰もが違和感を感じた。
その違和感は冷や汗と共に現れ、煉達の足を止める。
そして、階段へ向かう筈なのに、振り返るべきではない筈なのに、その違和感は誘惑するかのように煉達を振り向かせる。
振り向いた瞬間にその違和感はただの違和感ではなく、自分達に向けられた殺気だと気づくのに数秒もかからなかった。
それほど明確で、鋭く、空気を重くし、ピリピリと張り詰めたような殺気だったのだ。
避けては通れぬ道だと分かっていた。
だからこそ覚悟していたが、いざ目の前にすると僅かながらでも恐怖してしまう。
何故なら振り向いた煉達の視線の先の人物は、裂けているのではないかと思わせる程の狂気を含んだ笑みを浮かべていたからだ。
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