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約五分前……
「はぁ……はぁ……」
階段を全力で駆け上がる泰陽。
息は乱れ足も重くなってきているが、屋上に敵がいた場合は場所を確保せねばならない。
その使命感が泰陽を前へ前へと進ませていた。
その時だ。
「ようやく追いついた!」
「セインさん!」
泰陽の隣に突然セインが現れ共に走り出した。
「もう下は大丈夫なのか!?」
「我が階段を上がる頃はあの美麗な女性がセイバーナイトを圧倒していた! ダークナイトの本拠地へ行くメンバーの中で我は必要不可欠、あんなとこで立ち止まってはいられないからな!」
「必要不可欠!?」
「隊長の中に瞬間移動を駆使する奴がいる! その者に対抗できるのはスピードタイプの属性を持つ我だけだ!」
「なる程! それは頼もしいな!」
「それよりヘリは呼んだのか!?」
「ああ、もう孝地に頼んだ!」
「ならば急がねばな!」
二人は全速力で階段を上っていく。
泰陽達が次にダークナイトの本拠地へ行くことなどセイバーナイトは知らない。
その為、ヘリを呼んでいることも知らない筈だ。
ならば屋上に敵はいない筈。
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