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「甘いな!」
セインの反射神経は勿論光の速度。
例え背後を取られても光速でそれに気づき、更に光速で反撃ができる。
セインは光を纏った右拳で裏拳を叩き込んだ……が。
「ぬわぁんだと!!」
背後にいた緋乃も幻。
いや、それどころか……
「おいおいおいおい!」
「ちぃ! なんと厄介な!!」
「《百影(ヒャクエイ)》」
一、二、三、数え切れない程の緋乃が二人の周りに現れた。
勿論、ほとんどが幻影ということは分かりきっている。
「ここから幻影で下の連中のサポートをと思っていましたが……仕方ありません、あなた達を倒すのを優先としましょう」
無数の緋乃がクスクスと微笑む。
「本物を叩けばいいだけのこと!」
「その本物がここにいなかったら?」
「!?」
緋乃の言葉に驚くセイン!
その隙に緋乃がセインの背後から襲いかかる。
「ふん!」
回し蹴りを放つがやはり幻影。
すると、上空から緋乃が扇子を振り下ろす。
セインが後方に跳び避けた瞬間、それは聞こえた。
「《大泡火憐(タイホウカレン)》」
「なぬ!?」
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