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後方に跳んだセインを迎え討つように緋乃が手のひらを向けている。
すると、手のひらから巨大な泡が出現し、それは一瞬にして破裂する。
「むお!?」
泡の破裂による衝撃で僅かに吹き飛ばされたセイン。
しかし、ダメージはないようだ。
「セインさん、大丈夫か!?」
「問題ない! どうやらこの女、攻撃能力は低いらしい!」
所詮は泡。
泡自体に攻撃力など皆無に等しい。
そう思ったセインは不適に笑う。
「ふっふっふ……観念するがよい。貴様の属性は既に見切った」
「心外ですわね《乱泡火憐(ランホウカレン)》」
緋乃が扇子を振るとセインの視界を覆う程の無数の小さなシャボン玉が出現する。
「(見切ったと言っているのに泡で攻撃……他に能力があるとは考えられんが念のため……)」
セインは緋乃の攻撃を避ける為に更に後方に跳ぶ。
泡を操る能力ならばそんなに警戒する程ではないが、セインの慎重な性格が一旦距離を取るという考えに至った。
その直後!
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