プロローグ

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自分に与えられた教授室へと向かう途中で資料室へと立ち寄る。 拳大の原石を返すためだ。 今日用意したのは夜星石と呼ばれる石で青い絵具の材料としても使用される美しい石だ。 自分の価値観は他人と違うと知っているナティルは、通常の人間でも興味を持てるような石を毎回用意していた。 鉱山がある関係か、この学園には鉱物資料が豊富にある。 学生時代は自由に出入りできなかった資料室に入り浸ることも珍しくはなかった。 何といってもナティルは学生時代、この部屋に住みたいと思っていたのだから。 流石にそれはマズイと思った数少ない彼女の友人が必死に止め、それは実現されることはなかったが。 彼女にもこんな穏やかな日常を楽しいと思っていた頃もあった…と この1年後に入学してくる新入生はきっと信じることは出来ないだろう。 彼女はこの後、大変な変貌を遂げる。 そう…彼女はまた、新たな伝説を作り出したのだ。
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