16人が本棚に入れています
本棚に追加
『焔の騎士』編。
世界は病んでいた。
世界は死んでいた。
世界は消えかけていた。
赤く染まる大空に、
赤く染まる海に、
赤く染まる大地を旅をしてきたジャック・ウィル・セリーヌ達は砂漠のオアシスを目指していた。
「あっつーさっさと水欲しいし」
セリーヌが、スカートの袖をやぶり涼を求めていた。
「なぁ?ジャック…本当にルーラシアの用件述べるつもりか?嫌だね。あのアンドロギュノスに誰が好き好んではなすんだい?」
「仕方無いよ。兄さんが消えてから、アニーター・スキルソンを倒したのは俺達だから俺達が任務を遂行しないと雇ってくれたルーラシアに申し訳ない」
ジャックは、大剣レヴァンテインを背負い黒コートを着て旅をしてきた。
「そうかぁ…」
ジャックはサボテンの水だけでこの砂漠を乗り越えようとしていた。
セリーヌ自身辛く、砂漠を乗り越えた辺りに小さな店があったのだ。
ジャック・ウォーカー御立ち寄り跡
砂漠の店ケイティ
砂漠の小さなカフェで三人は水とサボテンステーキを頼んだ。
「そー言えば、御前の親父さんって有能な剣士って聞いてるよ」
「嘘!?ジャックの父さんって知らないけど名前は聞いたことあるわけよ。え…えっと『ヴォヌティス』だったかしら?」
ヴォヌティスは、ジャックの父親であるのと同時にこの世界の『神』でもある。
「父親だなんて言うんじゃないよ」
ジャックには父親の愛を知らずに生きていたから皆が羨ましいと想っていた。
「御待たせしました」
赤髪の女性が、三人分の水とサボテンステーキを持ってきてくれてくれた。
名ケイティ。
この店の主である。
客として来ていたのは、見るからにも怪しい黒フードの男がジャックを訪ねてきた。
最初のコメントを投稿しよう!