東京大空襲

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昭和二十年三月九日 病気だった兄さんを残して、私と母さんは家を出た。母さんは泣いていた。 既に空襲は始まっていた。 火の海に変わっていく街の中、私は走った。 気が付くと、隣を走っていたはずの母さんは既に居なかった。 それでも私の足は止まらなかった。
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