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「今日もアカンかったか...。」
ハローワークから出て来た男は春の霞んだ青空を仰いだ。
ヨレヨレのスーツを着てくだびれたセカンドバッグを持ち、額にビミョーな汗を浮かべたその姿は誰が見ても疲れきっていた。
そろそろ職が決まらないとマジでヤバいのに 面接にすら辿り着けない。
仕事が決まらない自分への焦りもあるが、家族を養う経済的な現実もある。
「前職の柵を絶つ為に異業種へ転身するつもりでいたが、そうも言ってられないのんかなぁ...。」
誰に言うワケでもなく呟いてしまっていた。
「..もしもし?」
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