もうさ、

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もう、どうしたらいいかワカラナイ "愛してる" そんな言葉にはにかんでいた井本はもういない。 アイツが今見せてる笑顔は本物じゃない。 この関係を続けていく限り、アイツの本当の笑顔を見ることはないだろう 割れたグラスが戻ることがないように、人間の気持ちが以前のように戻ることはない。 手の平にある割れた欠片をギュッと握り締めた 血が流れたって、こんなもの、俺たちの心臓から流れる血の量に比べれば大したことない。 あの時・・・俺たちが初めて出会った16歳の春で時間が止まってしまえば良かったのに。 あの時の笑顔が忘れられない 幸せそうに微笑む井本は本当に綺麗で、純粋で・・・ 相変わらずの口の悪さだったけど、心は綺麗だった。
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