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そっと目線を藤原に向けると、そんな俺の視線には気がつかず携帯で重岡を撮っていた
何やねん・・・
もう一度携帯に目を移し、メールを開く
そこには
《具合悪いん?》
たったの一行やったけどその一行が嬉しかった
心配してくれる藤原の優しさに胸がギュッと掴まれたかのような感覚に陥った
俺は返信を打つが、どうしても可愛げのない文章になってしまう
心配してくれてありがとう
そういったことが言えれば良いのだが、いくらメールでも照れ臭くて打てず、結局
《悪ないけど》
という無愛想な文章を送った
俺がすぐに送ったメールを見た藤原は俺をチラッと見ただけですぐに重岡と話しだした
・・・んやねんッ
イライラする・・・
俺はいかにも酔っ払ったかのように膝でテーブルを蹴り上げ、席を立った
「え、どこ行くんすか?」
と重岡が聞いてくる
「便所じゃボケェ」
そう言って隣に座る森木の脚を跨ぎながら言うと
「あ、俺も便所行きたなった」
なんて声が聞こえた
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