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「メニューあらへんから、この店」
「え、そうなん?」
「アンタが食いたいモノ取り敢えず言ってみて
俺が作れるモンやったら作ったる」
「マジか
じゃあ俺・・・「と思ったけど」・・・は?」
「俺が作りたいもん作る」
そう言って奥へと入っていった
俺の食いたいモンでええ言うたくせに
てゆか・・・
アイツ自分のこと"俺"って言うてたよなぁ・・・?
そういう性格なんやろか
あ、そういえば声も若干低かった・・・
えっまさか男・・・
いや・・・まさか・・・
「しげちゃーん
今日も来ちゃったぁ」
という新たに来店した客の方を見ると、いわゆる"アキバ系"なファッションをした男が"女"なんて絶対言えないような、メイド服を着たヤツと話していた
「もうっ
寂しかったとですよ!」
いや、可愛くないから
アイツを見ると、もし俺の担当の子が男であっても可愛い方やと思う
「作ってきてやったで」
しばらくすると、彼女(彼?)が料理を運んできた
それはお世辞にも美味しそうなんて言えないような、グチャッとした見栄えの悪いオムライスと思われるモノ
「あ、ありがとう…」
「早よ食えアホ」
いや・・・ねぇ?
「いただきます・・・」
いくらなんでも見た目悪過ぎやろ
卵固まってへんし・・・
ご飯ネチョネチョやし・・・
美味いようには到底見えない
でも食べなきゃ殺されそうな勢い
俺は勇気を出して一口運ぶ
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