第9章

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それはずっと気になっている。 何か殴ったり撃ったりして、外部から損傷を与えているわけではない。 何かを照射して殺すなんてSFの世界でしか見たことない。 非現実的だ。 「どうしてなの?」 志保が首をかしげながら尋ねる。 ”それはですね……” 考えても仕方ない。 答えを教えてくれるんだ。 ”皆様の頭の中に少々小さなある装置を組み込ませていただきました” 頭? 右手で頭をさすってみる。 手術した跡もないしどうやって? ”さすっても何もありませんよ。傷跡なんかどこにもありませんから。皆様には飲み薬のように口から摂取していただきました。また開発費が嵩みまして、良くできているんですよ。私も口から飲んだのにまさか脳にいくなんて思わないですからね。それで、超音波の一種のような物を流してやると反応して弾ける。その弾ける場所が脳の中枢、つまり大脳のど真ん中ってことです” 「そんな非現実的な話、あるわけないじゃないか!」 ”だから、開発費がかかったって言ってるじゃないですか” 「……………。じゃ、じゃあ美紀と孝輔は何故死んだんだ?」 ”いい質問です。この装置には一定の周波に反応しても超音波のようなものに反応したのと同じ現象がおきるのです。つまり、孝輔様と美紀様の相性がよければ、反応はせず、ただキスしただけで解放だったのです。簡単に申し上げますと、キスしたことによって電気のように刺激しあって二人とも…という感じです”
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