第10章

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「それで、あれだけジャスティスの人間がいて、何も分からなかったとは言わないですよね?」 「もちろんだ」 スーツの内ポケットから紙を取り出す。 それを開いて中を確認したあと、俺に渡してきた。 内容はわけの解らない英数字が15桁ならんでいた。 「これはなんなんです?」 「現場にあったパソコンをハッキングした。すると一件だけしか繋がらないように設定されていてその一件のアドレスだよ」 ジャスティスのアドレス。 だがそんなもの渡されてもどうすればいいかわからない。 「それで?」 「その送信先はどこだと思う?」 俺は何も答えずに本部長を凝視する。 「…。KA航空が個人向けに貸し出している自家用ジェットだよ。そして勿論、その貸し出している人物の名前を聞き出した。その名前…………………中野里美」 「そいつはどんな奴なんですか?」 「そう言われると思って調べておいた。中野里美24歳。都内の大学院に通う、いわば学生だよ」
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