第10章

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ー関西空港ー 「滑走路の封鎖、完了しました」 敬礼し走ってゆく隊員。 他にも数えきれない程のSIT隊員がいる。 「全員集めたのか?」 「いえ、全員の半数です」 指揮官らしき男とその横に立っている副指揮官らしき男。 「それで、目標はあと何分で到着予定だ?」 「あと…」 時計を見る。 「40分弱です」 「そうか。そろそろ全員配置に付かせておけ」 「はい」 副指揮官らしき男は無線を肩から外し言った。 「総員戦闘配置。繰り返す。総員戦闘配置」 無線を切った瞬間、当たりが慌ただしくなり、それぞれの隊員がそれぞれの配置に向かってゆく。 「安易な発砲は許可しない。反撃はこれに限らず。各自状況をよく判断せよ」 再び無線に向かって言った。 すると各部隊長から返事が次々とはいる。 その返事を聞いていないかのように、指揮官らしき男を見る。 「総員戦闘配置に付きました」 「うむ」 そう言って置いてある、簡易椅子に座りこんでしまった。 「あとは待つとしよう」
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