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里美の事には目もくれずに、ただじっと俺を見つめている。
また里美を見る。
「高田君お願い。私帰りたいの…」
あんな態度、口ぶりをしといて信じろだと?
俺には無理だね。
手にしている拳銃を静かに里美に向ける。
「俺は君の事は信じれないよ」
「い、いや」
首を横に振る。
「私は死にたくないだけ…。帰りたいだけ…。普通に暮らして行きたいだけ…」
志保がいきなり俺の手を掴む。
「こ、殺さなくてもいいでしょ…?」
「ダメだよ。生きて帰るには殺さないと」
「まだ死にたくない…」
里美が泣きはじめる。
怒ったり泣いたり忙しいやつだな。
「それに、俺も生きて帰りたいんだよ」
「いや…」
掠れた声で呟いた。
「いや。いや。いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやぁぁぁぁー!!」
「ごめんな里美。俺も嫌なんだよ」
人差し指に思いっきり力を入れた。
パンっ!
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