第12章

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授業の内容を必死に思い出す。 おそらく今はオートパイロットになっているはず。 じゃあ解除すればいいんだ。 オートパイロットから手動に切り替えるスイッチを探す。 「あった、これ……………………え?」 「どうしたの…?」 不安いっぱの表情で覗き込む志保。 「スイッチのボタンが取り外されている」 指した先にはポカンと空いた空間があった。 手動に切り替えれない。 考えろ 考えれば何か出てくるはず 何かを見落としている とりあえず機体を水平に保てればいいな そして座席の右横にあるレバーを4つ同時に倒した。 すると水平を表す計器がどんどん正常値に戻っていく。 だが機体自体の降下は防げない。 高度計の数字はみるみるうちに下がっていく。 これは真剣にマズいな…。 機体は降下している。 なんとか水平を保っているが、いつまで続くかわからない。 おまけに視界は雲だらけでゼロ。 どうしたら助かるんだろうか…。
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