第13章

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ー滑走路ー 少し小さめの旅客機がよろよろと滑走路に降りようとしている。 それにしても操縦が下手だ。 航空機のパイロットは大抵、元航空自衛隊の隊員。 なのにあんなに左右にふらふら揺れているのは有り得ない。 車輪が出てくる。 「双眼鏡を貸してくれ」 横にいる隊員に言う。 「は、はい」 慌てて双眼鏡を取り出す。 それを受け取り飛行機に向ける。 思わず目を疑う。 パイロット席にいるのは私服を着た男。 しかも若い。 さしずめ学生といったところか。 あんな奴も国際的な犯罪者なのか。 その後ろに若い女が立っている。 どんな状況なんだ。 そうしている間にも飛行機は降りてくる。 後輪が着く。 そして前輪。 そのままこちらに走ってくる。 だんだんスピードを落としながら。 「構え!!」 無線機で指示する。 皆銃を構える。 飛行機は目の前で停止した。 30秒動きがない。 だが1番前のハッチが開く。 「撃て!!!!!!!」 全員が一斉に発砲した。
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