第13章

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ガチャンと音をたてて階段と飛行機との接合が完了する。 そして5人の隊員が次々に階段を駆け登る。 3人の隊員が1番上の踊場に立ち、残りの2人はそれぞれ一段づつ降りている。 班長らしき男がハッチに手をかけたとき、あまりにもボロボロすぎて崩れてしまった。 そしてそこには若い男女が横たわっていた。 「隊長」 ”なんだ” 「20代とみられる男女発見、どうしますか?」 ”とりあえず回収だ。機内の捜索を続けろ” 「了解」 無線を切り後ろの隊員に手で指示を出す。 一人の隊員が男に手をかけたときだった。 「………………ばく…だ…ん…」 まだ息がある。 「ばくだん…………早く……にげ…ろ」 途切れ途切れに話す言葉は微かに聞き取れた。 隊員は班長を見る。 「隊長!!」 すかさず無線をする。 ”なんだ” 「生存者あり。爆弾と口走ってます」 少し間があいた ”全員待避しろ!!!” 隊長の怒鳴り声が無線ごしに割れて聞こえる。 「た、待避!!」 ぞろぞろと階段を駆け降りる。 班長は階段を降りるとき背中ごしに機内が女の笑い声を聞いた。
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